冠婚葬祭マナー

喪主側のポイント
火葬

出棺と挨拶、骨揚げ

喪主が位牌をもつ

「くぎ打ちの儀式」が終わったら、出棺となります。

注意
棺は、遺族や近親者、故人と親しかった友人など男性六人の手によって、関東では故人の足が先になるように、関西では頭が先になるように霊柩車に運び入れます。
棺のあとには喪主が位牌を持って続き、それに次ぐ遺族が遺影を持ち、そのあとに残りの遺族が続き、会葬者への挨拶となります。

 

喪主か遺族代表の出棺の挨拶
棺を霊柩車へ運び入れたあと、喪主または遺族代表が会葬者に対してお礼の挨拶をします。
挨拶が終わったら、遺族全員で深く一礼して車に乗り込み火葬場へ向かいます。

 

出棺の挨拶の四つのポイント
1.自己紹介をする
2.会葬へのお礼・・会葬へのお礼とともに、出棺のお見送りに対する謝意を述べます。
3.生前の故人への厚誼(こうぎ)に対する感謝の言葉
4.今後の支援のお願い・・今後も遺族への変わらぬお付き合いをお願いして終わります。

 

出棺の挨拶例(1)
「私は、故○○○○の長男の○○でございます。遺族を代表いたしましてひと言ご挨拶申しあげます。
本日はご多用中にもかかわらず、故○○の葬儀にこのように多数ご参列いただき、ありがとうございました。
お陰さまで告別式もとどこおりなく終えることができました。
そのうえ、最後のお見送りまでしていただき、故人もさぞ喜んでいることと存じます。
故人が生前ひとかたならぬご厚情を賜りましたこととあわせて、深く感謝申し上げます。残された私どもに対しましても、どうぞ今後も変わらぬご厚誼を賜りますよう心よりお願いいたします。
本日は、まことにありがとうございました。」

 

    

出棺の挨拶例(2)
「私は、長男の○○でございます。遺族を代表いたしまして、ひと言ご挨拶申し上げます。
本日は皆さまご多用中にもかかわらず、故○○の葬儀にこのように多数がご会葬くださいまして、厚くお礼申し上げます。
故○○存命中は、皆さまよりひとかたならぬご厚誼を賜りましたこととあわせて、深く感謝申し上げます。
残された私どもに対しても、これからも変わらぬご厚誼を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
本日は、まことにありがとうございました。」

 

喪主・僧侶は同じ車で
火葬場へは、霊柩車を先頭に、僧侶・喪主が乗ったハイヤー・遺族の乗ったハイヤー、その後にそのほかの遺族や親族、友人の乗ったマイクロバスが続きます。
霊柩車に喪主が位牌を持って乗ることもあります。
あとにのこる世話役は出棺を見送ったのち、互助会・葬祭業者の指示に従ってお手伝いの人とともにあと片づけをし、遺骨を迎える準備をします。

 

骨あげ(拾骨)

火葬が終わったら、係員の指示に従い、遺骨台から骨壷に納めます。これを「骨あげ」といい「拾骨(しゅうこつ)」、「収骨」ともいいます。
骨を拾うときは、地域によっては用意されている竹と木の箸を持ち、ふたり一組となって、ひとつの骨片をはさんで骨壷に納めます。これは故人をあの世に橋(箸)渡しするという意味といわれています。
喪主、遺族、近親者の順に、箸を次の人に手渡して交代しながら行ないます。
骨は、足から順に拾っていき、最後に喪主がのど仏を拾い骨壷に入れます。

 

    

注意
関東ではすべての骨、関西ではのど仏中心の骨などのみを骨壷に入れる風習があります。ですから、その量にちがいがあるため、骨壷の大きさがちがいます。

 

    

分骨する場合
宗派の総本山や、新しい霊園と菩提寺(ぼだいじ)などに遺骨を分骨するときは、事前に互助会・葬祭業者に申し出ておきます。分骨用の骨壷を用意しなければならないからです。
また、火葬場の係員にも申し出をしておきます。分骨用に遺骨をより分けてくれますし、分骨容器の数だけ火葬証明書に印を押して手渡してくれるからです。

 

    

埋葬許可証の確認
骨あげが終わると、火葬場の係員が骨壷を桐の箱に納め、白布で包んで渡してくれます。
そのなかには、火葬証明書に印を押した、いわゆる埋葬許可証も入っています。
遺骨を喪主が両手で持ち、位牌や遺影を別の遺族がそれぞれ持って帰宅します。