社会貢献への取り組み

全互協の社会貢献基金制度

助成先団体結果報告

武庫川女子大学 文学部 心理・社会福祉学科 教授 大西次郎

総合型ケア産業としての葬儀業に関する産業人類学的研究-グリーフケア・デスケアの提供をめぐる現状と展望-

ターミナルケアを実施する施設へのヒアリング・追跡調査により、特養・老健の高齢者が自らの死後の扱いを懸念しつつも、それを受けとめる施設側の支援提供者が定かでなく(職員)、逝去以降は遺族へ事後的に対応を任せざるを得ず(管理者)、葬儀社・宗教家が施設内で連携を図ることも容易でない実態が浮かび上がった。しかし、高齢者は死後の処置や葬儀を生の延長線上に見据えていることも改めて聴取された。今後の、進むべき道として、高齢者施設職員の疲弊の要因として看過できないターミナル・グリーフケアを葬送儀礼の専門家・組織と協働する意義等を雑誌論文で発議し、加えて、同テーマを日本社会福祉学会において、他の実践・研究者を加えた合同シンポジウム形式により全国へ発信していく予定である。