Social contribution

社会貢献への取り組み

平成22年度

年度別助成先団体活動報告

平成28年度~令和3年度の助成先団体活動報告は、(一財)冠婚葬祭文化振興財団をご覧下さい。

http://www.ceremony-culture.jp/social/service/fund/result-report/

平成22年度

(平成23年4月~平成24年3月の間に助成事業実施)

任意団体 森敦史君と共に歩む会

先天性盲聾者の大学授業受講支援

テーマ
先天性盲聾者の大学授業受講支援
概 要
入学後の1年間、大学側の通訳支援、学生の自主ボランティア、森氏本人の活動による助成金などを得て、授業を受けることができた。2年目までの見通しがある程度立ったので、2年目の助成申請は行われなかった。活動初期のもっとも困難な時期に助成金を利用することができたことが大きな効果となって、その後に繋がっている。

任意団体 和歌山県難病の子ども家族会

難病の子どもたちのキャンプ(医療スタッフ同行)

テーマ
難病の子どもたちのキャンプ(医療スタッフ同行)
概 要
キャンプは9/18~19に和歌山マリーナシティで実施され、参加者は8つの家族会(12家族36名)と家族会のない難病者(22家族59名)の合わせて34家族95名。ボランティアは270名でした。 キャンプでは家族交流会(①福祉制度の活用法、②学校との連携について③きょうだいの交流会)、親の学習会(講演…難病の子供と家族の関わり方 元京都大学医学部臨床教授、現NPO法人日本ボイタ協会理事長家森百合子氏)、室内遊戯等が行われた。

特定非営利活動法人 こころみ会 トライハウス

自立就労支援、農作物乾燥庫整備

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自立就労支援、農作物乾燥庫整備
概 要
乾燥機の設置により、乾燥野菜の販売が可能になった。この団体では畳製造を従来より行っているが、売上はそれに及ばないものの原価コストを考えれば、乾燥野菜のほうが効率がよく、結果として工賃が1万円以下から1万2千円までUPした。販路について工夫すればさらに売上を伸ばせると考えており、さらに拡大する可能性がある。

社会福祉法人 日本点字図書館

視覚障害者のための半立成型による世界の名画集の製作・頒布

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視覚障害者のための半立成型による世界の名画集の製作・頒布
概 要
冊子は厚紙にエンボス加工をして、浮き彫りのように半立体化がなされ、「ふれる世界の名画集」として完成。縮尺はそれぞれ異なるものの、大きさの比率は元の絵と同じであり、鑑賞の助けとして、視覚的イメージを形作る色彩や人物の表情などについて点字解説がつけられている。全国の盲学校(70)と点字図書館(90)に配布された。

任意団体 緊急クラウンジャポン

ドクタークラウン派遣事業

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ドクタークラウン派遣事業
概 要
事業対象となる活動は次の通り、国立病院機構千葉東病院(3回)、目黒区立心身障害者センターあいアイ館、特別養護老人ホーム金井原苑、社会福祉法人一廣会地域福祉センター 金井原苑、老人福祉施設みはらし、榛名特養エンジェルホーム、声援隊"きっともっとずっと聞こう”(2回)、世田谷ケアセンターふらっと、パンダのハート(心臓病の子供とその保護者の会)。このうち、国立病院機構千葉東病院では、重症心身障害児病棟、筋ジストロフィー病棟を訪問しており、病院側が定期活動として受け入れつつある。

特定非営利活動法人 チャイルドライン支援センター

チャイルドライン広報事業

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チャイルドライン広報事業
概 要
カード・ポスターは9月に印刷し、教育委員会(66ヵ所)・児童相談所(228)・・精神保健福祉センター(68)・弁護士会(61)・消費者生活センター(55)、法務局(319)、都府県警(51)、いのちの電話(52)、都道府県警察署(65)、虐待防止民間ネットワーク(32)、行政(6)、児童館(643)、児童館協議会(46)に送付された。2011年度の年間着信件数は20万件を超える。平均通話時間、総通話時間も増加傾向にある。子供のいじめ、自殺、不登校などはさまざまな背景があり、すぐに効果の表れる内容ではないが、子供にとってよりよい社会環境の構築に向けて今後も活動する。

特定非営利活動法人 ほっとポケット

デイサービス入浴環境整備

テーマ
デイサービス入浴環境整備
概 要
リフトの導入により、スタッフ・利用者共、身体的負担が緩和された。リフトなしでの入浴介助は重労働であり、スタッフの1日の作業はそれ以外にたくさんあるが、入浴介助における負担の緩和は全ての作業にプラスに影響している。

特定非営利活動法人 棚田LOVER’s

棚田再生・地域活性化活動

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棚田再生・地域活性化活動
概 要
田植え・稲刈り体験、野菜の収穫・農業体験、農楽カフェ、商店がイベント等予定事業を実施し、他にも、棚田で行う星空コンサートなどを実施した。

特定非営利活動法人 風に立つライオン

マザーテレサ施設への医学生・看護師派遣、ボランティア活動実施。

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マザーテレサ施設への医学生・看護師派遣、ボランティア活動実施。
概 要
研修者募集は、応募動レポート・読書感想文(堂園晴彦氏の著書および、マザーテレサについての書籍1冊)を1次選考とし、2次選考は堂園文子理事長らによる面接審査を実施した。8月12日~21日にかけて、ボランティア研修、ハンセン氏病院見学、マザーハウスでのシスターとの懇談などを実施した。参加医学生は宮崎大学・鳥取大学・金沢大学・大分大学・大阪市立大学・鹿児島大学より7名、引率医師1名で、看護師参加はなかった。また3月実施予定分は4月28日~5月6日にかけて、医学生3名、看護師1名、引率補助(社会福祉士)1名、引率医師1名、自費参加医師2名等で実施された。また、講演会は11月23日、代々木オリンピックセンター(東京)にて講師:神渡良平氏、演題:マザーテレサへの旅路として実施された。

東京大学大学院 総合文化研究科 超域文化科学専攻 博士課程 田中大介

施設職員と葬儀社の協働による、老人ホームでの一貫したターミナル・グリーフケア

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施設職員と葬儀社の協働による、老人ホームでの一貫したターミナル・グリーフケア
概 要
調査は冠婚葬祭互助会、専門葬儀社、農協などを対象として、東京都・埼玉県・神奈川県・群馬県・新潟県・石川県・大阪府・徳島県・香川県・福岡県で実施された。「葬儀サービスに内包されうケア的側面の事業化」に関する現状把握では、第一は葬儀・グリーフワーク型、第二にCSR型、第三は遺体ケア型、第四は高齢化包括ケアと位置付け、葬儀業は単なる物質的サポートに留まらない精神的支援に属するケアを手がけていると同時に、老齢期の最終局面におけるサービスの担い手の性質を強めている。またその一方で、ケア的事業を利潤獲得のサイクルに乗せることに多くの事業者が経営上の困難を感じており、中には事業展開を断念したケースもある。これに対して葬儀業に対する地域住民の需要はほとんどの地域で一定の質量を伴って存在し、かつ葬儀業がそれらのケア事業を手がけることへの嫌忌感も著しく寡少な割合でしか観察できなかった、としている。高齢化に呼応するには、業界全体としての総合的思索が求められている、と結んでいる。

園田学園女子大学 人間健康学部 人間看護学科 教授 中村陽子

看取りの文化が担う終末期ケアと地域再生

テーマ
看取りの文化が担う終末期ケアと地域再生
概 要
兵庫県・高知県・福岡県・熊本県・宮崎県の僧侶、老人施設・その他施設(ホームホスピス)職員、檀家 の人たちを研究対象とし、半構成式面接方法によるインタビューを実施した。関西の都市部をはじめ、九州において、これまで地域において育まれてきた看取りの文化の継承を目指した取り組みが「ホームホスピス」という新しい暮らしの場として取り組まれている。病院でも施設でもない「終の棲家」としての「もう一つの家」としての役割を持っている。介護保険やその他の制度の制約を受けないその暮らしの場は5人~6人で地域の民家を活用しながら地域の相互扶助やしきたり、風習が大切にされている。尼崎市の運営担当者は「特別なことは何もない。ただ寄り添うだけ。これまで私たちは死を家族で、地域で看取ってきた」という。また、その「暮らしの場」には僧侶が月参りに来訪し、寺を中心とした「看取りの文化」が生活習慣として存在していた。兵庫県豊岡市においては、浄土真宗の僧侶が中心となって認知症高齢者対象の「グループホーム」の運営活動や「ひきこもり」の活動支援をNPO組織として取り組んでいる実態があった。仏教慈悲の施しの具体化は「ダーナ」という組織の活動理念となり、地域の力、「相互扶助」の再生に向けた新たな取組みとして実践されている。都市部を除く調査地域は、高齢化率も高く宗教(神社仏閣)の役割としての死の教育や福祉支援は脆弱化しているが、しかし、そこで暮らす人々は終末期を「昔の人々は立派に死んでいった」と語る。そして、その人々を支えるための「看取りの文化」の再生が地域の支え合いの力になると考え、創意工夫し活動する人々がいる。

武庫川女子大学 文学部 心理・社会福祉学科 教授 大西次郎

総合型ケア産業としての葬儀業に関する産業人類学的研究-グリーフケア・デスケアの提供をめぐる現状と展望-

テーマ
総合型ケア産業としての葬儀業に関する産業人類学的研究-グリーフケア・デスケアの提供をめぐる現状と展望-
概 要
ターミナルケアを実施する施設へのヒアリング・追跡調査により、特養・老健の高齢者が自らの死後の扱いを懸念しつつも、それを受けとめる施設側の支援提供者が定かでなく(職員)、逝去以降は遺族へ事後的に対応を任せざるを得ず(管理者)、葬儀社・宗教家が施設内で連携を図ることも容易でない実態が浮かび上がった。しかし、高齢者は死後の処置や葬儀を生の延長線上に見据えていることも改めて聴取された。今後の、進むべき道として、高齢者施設職員の疲弊の要因として看過できないターミナル・グリーフケアを葬送儀礼の専門家・組織と協働する意義等を雑誌論文で発議し、加えて、同テーマを日本社会福祉学会において、他の実践・研究者を加えた合同シンポジウム形式により全国へ発信していく予定である。

筑波大学大学院 人文社会科学研究科 歴史・人類学専攻 戸邉優美

女性が運ぶ嫁入り道具-婚姻儀礼における嫁集団主体性の研究-

テーマ
女性が運ぶ嫁入り道具-婚姻儀礼における嫁集団主体性の研究-
概 要
①嫁入り道具の授受(ナガモチワタシ・ナガモチカツギ)の分布について…女性集団による嫁入り道具の授受行為は女川町が北限と推定。しかし、女川町江ノ島の「ナガモチガイ」では嫁入り道具を受け取るときに金銭授受の中心が置かれており、牡鹿半島におけるそれと異なることから、ナガモチワタシとナガモチカツギは明確に分けて検討する必要がでてきた。 ②女講中およびナガモチワタシ関連資料について…東日本大震災によって牡鹿半島のほとんどの集落が浸水し、女講中及びナガモチワタシ関連資料についても倉庫ごと押し流され失われたものが少なくなかったが、大原浜の関連資料は奇跡的に無事だった。 ③嫁入り道具の受け渡しの意義について…南三陸町以北では親族男性の立ち合いを重視する。牡鹿半島のナガモチワタシに注目した場合、これが女講中の立ち合いとなっている点で、性と年齢の秩序の重視、婚礼における女性集団の重視が社会規範となっていることを指摘する。ナガモチカツギに注目した場合、若者の代理としての可能性と経済システムとしての行為を挙げることができる。前者は担ぐ行為を女性が担うことの意義を問う方が重要とした。 ④球磨地方と比較(割愛)